引っ越しするために必要な料金の相場は新居の家賃の4倍~5倍。
毎日の生活をやりくりするので精一杯な人にとって、これはかなり大金ですよね。
「引っ越したいけど、お金がないからムリかも…」
「急に引っ越さないといけなくなった!でもお金がないのにどうすればいいの?」
大金を用意しないということで、引っ越しをあきらめている人、どうしようもなくて途方にくれている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方のために今回は極限まで費用を安くして引っ越す方法、引っ越しのための資金を用意する方法をまとめました。
まずは引っ越しにかかるお金自体を安く抑えることから始めて、どうしてもお金が足りない場合は資金調達も考えてみてください。
この記事の目次
引っ越しの初期費用をおさえる方法6つ
(上のイラストは、イラストレーターの安楽雅志さんに作成していただきました!)
引っ越しにかかるお金の90%は初期費用です。
引っ越し業者に支払う料金はもちろん、敷金や礼金、仲介手数料などをあわせると、新居の家賃の4倍~5倍近くのお金を用意しないといけません。
「いかにして初期費用を安く抑えるかどうか」が、安く引っ越すために1番重要です。
ここでは初期費用をできるだけ安く抑えるためのポイントを6つ紹介します。
①敷金・礼金0円の物件をさがす
そもそも敷金と礼金とはなにかを簡単にご説明します。
- 敷金・・・退去費用をカバーするために前もって支払う料金
- 礼金・・・大家さんにお礼として支払う料金
ただ敷金や礼金は絶対払わないといけないというものではありません。
家の探し方次第では「敷金0円、礼金0円」で引っ越すこともできます。
- シェアハウス
- フリーレント物件
- マンスリーマンション
敷金や礼金を払いたくない人は、この3つの物件を検討してみてください。
シェアハウス
シェアハウスは敷金・礼金が0円だけでなく、家賃もほかの住居人と出し合うので安く済みます。
家電製品や生活品も共有されているので新しく家具を買いそろえる必要もありません。
費用をおさえつつすぐに生活をはじめたい人にはおすすめです。
水道代や電気代、光熱費の他にもシェアハウスでは以下のようなものも含まれます。
- トイレットペーパーや洗剤などの消耗品
- ネット料金
- ホームセキュリティ代
フリーレント物件
フリーレント物件は敷金と礼金がタダになることの他に、入居してから一定期間のあいだ家賃が無料になるというメリットがあります。
無料期間は1カ月分のところが多いですが、中には2カ月分、3か月分のところも。
ネットで「フリーレント物件」と打ち込めば、カンタンに探すことができます。
(不動産・住宅サイト【SUUMO】のフリーレント物件検索ページ)
フリーレント物件には以下の点に注意が必要です。
- 管理費と共益費は支払わなければならない
- 最低でも1年間は退去できない
- 相場と比べて家賃が高い物件がある
マンスリーマンション
マンスリーマンションは月単位で短期契約が可能な賃貸物件です。
通常の賃貸では長期の利用のみがほとんどのため、短期で利用したい単身赴任の方や学生に人気があります。
マンスリーマンションは通常の賃貸物件よりも約3万円たかく設定されています。
長期で利用するには向いていませんので注意しましょう。
②礼金の値引き交渉をする
初期費用の中で一番値引き交渉がしやすいのが礼金です。
礼金は法律上かならず払わなければいけないものではありません。
交渉は以下のようにおこなえばこちらの要求にこたえてくれることがあります。
【Aさんが不動産屋さんの値引き交渉をしたときの場合】
不動産「こちらの物件はいかがでしょうか?」
Aさん「そうですね…ちょっと予算がきついですね…礼金が安かったらすぐにでも借りたいのですが…どうしましょう…」
不動産「そしたら値下げできるか大家さんに確認してみましょうか?」
Aさん「ほんとうですか?ありがとうございます!」
ポイントは相手に「どうしてもこの部屋に住みたい」と思わせること。
「礼金が安ければすぐにでも契約するのに」と残念そうにすれば、相手もこちら側の要求に応じてくれます。
大家さんも「部屋を利用してくれるのであれば」と値引きしてくれる可能性が高いです。
③繁忙期を過ぎてから引っ越す
引っ越し業界でいうところの繁忙期は3月から4月までです。
繁忙期はどこの引っ越し業者の料金も高くなります。
下記が引っ越し業者の料金比較表です。
引っ越し業者 | 閑散期 (5月~2月) |
繁忙期 (3月~4月) |
---|---|---|
アーク引越センター | 65,000円 | 120,000円 |
アリさんマークの引越社 | 88,200円 | 180,000円 |
アート引越センター | 80,000円 | 85,000円 |
※単身で荷物の量は多め、市区町村内500km未満という設定で比較します。
※時期や利用状況によっては価格が変動する可能性があります。
料金は業者によって異なりますが、繁忙期を避ければ半額以上料金が安くなるところもあります。
引っ越し業者に頼まずに引っ越しするのもアリ
「引っ越しをしなきゃいけない時期が繁忙期とかぶってしまった!」
とくに新社会人や新入生などひとり暮らしをはじめる人は、閑散期を避けることはむずかしいですよね。
業者にお金をかけたくないのであれば、大手の引っ越し業者を利用せずに引っ越す方法検討してみてください。
①レンタカーを利用する
レンタカーの料金は半日でレンタルしても1万4千円ほど。
引っ越し業者の料金は走行距離15km未満の利用でも平均で3万4千円もかかります。
別途ガソリン代が発生しますが、それでもガソリン代の料金は平均4000円からなので合計して比較してもリーズナブルに引っ越しが可能です。
段ボールや備品は自分で用意する必要があります。
また荷下ろしや棚などの大きなものを置くのも1人でやらなければいけません。
荷物を運ぶ際は友人や家族に協力をお願いしておきましょう。
②赤帽(全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会)を利用する
赤帽は個人で配送業を営業しているひとたちによる組合のことです。
配送業をメインでやっていますが、近年では値段の安さから引っ越しで利用するひとが増えています。
【一般業者と赤帽の料金を比較】
■アーク引越センター(繁忙期)
距離 | 利用料金 |
---|---|
50㎞未満 | 70,000円 |
■赤帽
距離 | 利用料金 |
---|---|
作業時間2時間以内・20㎞まで | 13,500円 |
1台1行ほど・ドライバー1名/土日祝祭日 | 2割増 |
赤帽は単身で近距離におすすめ
赤帽は単身で荷物量が少なく近距離で利用する方におすすめです。
引っ越し先が長距離であればあるほど、引っ越し業者よりも値段が高くなってしまいます。
ドライバーは1人か2人なため積荷や荷物を下ろす手伝いをしなければいけません。
トラックも引っ越し業者のものとくらべて大きいわけではないので、大きなものを積めるには限りがあるのです。
④引っ越しの追加オプションを利用しない
引っ越し業者は、追加料金を支払うことで荷物を運ぶ以外にも様々なサービスを行っています。
サービスを利用することはもちろん強制ではありません。
少しでも費用を抑えるために、家族や友人に手伝ってもらうこともアリです。
⑤仲介手数料を支払わない
仲介手数料は物件を紹介してくれた不動産屋さんに支払う料金のこと。
金額としては家賃1カ月分に消費税8%を足した料金です。
※2019年10月からは消費税10%です。
仲介手数料なしの家に引っ越せば、新居の家賃の分だけ初期費用を抑えることができます。
以下、仲介手数無料(もしくは格安)の物件の取り扱いが多い業者を3つピックアップしましたので参考にしてください。
⑥助成金制度を活用する
かかる費用が直接減るわけではありませんが、助成金を受け取れば引っ越しの出費を抑えることができます。
【引っ越しの補助金制度~新宿区の例~】
- 新宿区外への引っ越し:最大で36万円
- 新宿区内への引っ越し:最大で20万円
助成金に関しては各自治体で金額や条件、申し込み方法が異なるので、お住いの地域の役所のホームページを確認してみてください。
初期費用を抑えても資金が足りない場合の対策方法
工夫して初期費用を抑えたとしても「まだ引っ越しのためのお金が足りない…」というケースへの対策方法を4つほど紹介します。
いらなくなったモノを売る
引っ越しの際にいらなくなったものを売って資金を増やす方法です。
売り方には次の3つの方法があります。
- 買取業者で査定してもらう
- オークションに出品する
- フリマアプリを利用する
オークションは少し時間が掛かってしまいますが、メルカリなどのスマホアプリを使えば、手軽に出品することができます。
なかなか買取業者に見てもらう時間がないときは活用してみてください。
クレジットカード払いで負担を減らす
クレジットカード払いは手数料と金利が掛かってしまいますが、手元に現金がなくても引っ越すことができます。
- 引っ越し当日になってクレジットカード払いにすることはできない
- 分割払いができないところがある
- 分割払いによって別途手数料と金利が生じる
支払い方法をクレジットカードにするには、引っ越し当日より最低でも3日前に申請しなければなりません。
また分割払いのみ対応ができない引っ越し業者もあるので、事前に確認しておきましょう。
ローンを利用する【カードローンorフリーローン】
最後の手段として、ローンを利用して資金を調達するのもアリです。
ローンを利用すれば、手っ取り早く足りない分の引っ越し資金を調達することができます。
引っ越し資金としても申し込める利用目的自由のローンは、カードローンとフリーローンの2つ。
両者の違いをカンタンにまとめてみました。
項目 | カードローン | フリーローン |
---|---|---|
金利 | 高い | 低い |
申し込み条件 | 少ない | 多い |
借り入れスピード | 早い (最短即日) |
遅い (2~3営業日) |
必要書類 | 原則身分証だけ※ |
|
担保・保証人 | 不要 | 不要 |
※50万円以上借りる場合は収入証明書を提出する必要があります。
フリーローンは低金利で利用できる分、審査がなかなか降りないのが特徴。
3種類の書類をじっくり審査するので、実際にお金を借りるまでには申し込んでから2日以上かかってしまいます。
一方でカードローンは金利が高めなのがネックなものの、フリーローンより申し込み条件がゆるやかで審査も前向きです。
また消費者金融カードローンなら、最短で申し込んだその日にお金を借りることもできます。
【おすすめのカードローンをピックアップ!】
金利 (実質年率) |
3.0%~18.0% |
---|---|
利用可能額(限度額) | 最大800万円(最低1万円) |
年齢制限 | 20歳以上74歳以下 ※収入が年金のみの方はお申込いただけません |
毎月の返済 | 4000円(10万円借り入れた時) |
利用用途 | 自由 |
担保・保証人 | 不要 |
年会費 | なし |
審査スピード | 最短30分(※1) |
融資スピード | 最短即日 |
(※1)申込の曜日、時間帯によっては翌日以降の取扱となる場合があります。
- WEB完結なら職場・バイト先への電話連絡なし(※)でこっそり借りれる
- 今から申し込めば最短で今日中、遅くても明日には資金調達できる
SMBCモビットなら「手間なし×コッソリ×スピーディー」に足りない引っ越し資金を調達できます。
(※)WEB完結で電話なしにする場合、健康保険証や給与明細などお勤め先の会社名が入っている書類を提出してください。
引っ越しをする時は追加料金・退去費用に注意
いざ引っ越ししてみると、料金が当初の見積額を超える可能性があります。
- 追加料金
- 退去費用
ここでは引っ越し資金が見積もりを越えないように、2つの余分なお金を払わないための対策を紹介します。
追加料金が発生する可能性があるケース
①荷造りが終わっていない
自分で荷造りを行う際に、引っ越し当日までに終わっていないと追加料金が発生します。
作業時間に大幅な遅れが生じるため業者の方に迷惑です。
荷造りは最低でも引っ越し当日より10日前に終わらせておきましょう。
②荷物量が見積もりのときよりも多くなった
荷物が多くなることを見越して引っ越し業者からダンボールを無料で50枚もらえます。
50枚以上になると追加料金が発生するので注意しましょう。
荷物が多くなりそうであれば捨てられるものがあれば捨てるようにしましょう。
資金調達の部分でも触れましたが売るのも1つの手です。
荷物の量を減らせば、引っ越しトラックも大きいものを用意しなくても大丈夫になります。
③クレーン車を使った場合
家具や電化製品などの大きな荷物がエレベーターで運べない場合は、クレーン車を利用することになります。
クレーン車の料金相場はだいたい2万円~3万円程度です。
前もって大家さんや不動産屋さんに大きな荷物を運べるか確認しましょう。
退去費としてハウスクリーニング代が発生する場合アリ
退去費用とはかんたんに言うとハウスクリーニング代のことです。
部屋の中でなにか損傷があれば、その修理費として退去費用を払わなければいけません。
いくら気を遣っていても多少は汚れや傷がついてしまいます。
なのでクリーニング代は必ず取られるものだと思っておきましょう。
退去費の相場は約3万円ですが、引っ越すまえに工夫すれば費用をおさえることができます。
自分で掃除して退去費を減らす
退去費を減らすコツは自分で掃除をすることです。
自分で清掃できる箇所は積極的におこないましょう。
不動産会社の中には、利用者が知らないことをいいことに退去費用をぼったくるところもあります。
明らかに修理費が高いと思ったら、消費者生活センターに相談してみましょう。
引っ越し費用は安くできる!足りない場合は資金調達もアリ
できるだけ安く引っ越すためには、まず初期費用をギリギリまで切り詰めましょう。
- 敷金・礼金0円の物件を探す
- 礼金の値引き交渉でネバる
- 繁忙期を避けて引っ越す
- ムダな追加オプションを利用しない
- 仲介手数料無料の物件を探す
- 助成金制度を利用する
この中のどれか1つを実践するだけで、初期費用を安く抑えることができます。
初期費用を切り詰めるだけ切り詰めたあとで、どうしてもお金が足りない時は資金調達の方法も検討してみてください。
借金という形にはなりますが、手っ取り早く引っ越し資金を用意するならカードローンの利用も視野に入れてみるといいでしょう。