カードローンの返済中に契約者が死亡したら?親族に捧ぐ3つの対処法

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カードローン返済

カードローン返済中に当人が死亡したらどうなるのか解説!

「亡くなった父親にカードローンの借金が200万円あった」
「余命1カ月を宣言されている身内がまだカードローンの返済中だった…」

葬儀の費用もかさむ中、できることなら身内が残した借金の返済を引き継ぐのは避けたいところですよね。

残念ながらカードローンの返済はマイナスの財産として相続の対象となってしまいます。

かし絶対に亡くなった人の返済を引き継がなければならないわけではありません

カードローンの返済を引き継ぐ・引き継がないの全パターンの基準をまとめてみましたので参考にしてください。

あなたはカードローンの返済を引き継がないといけない?今の状況をチェック!

財産を引き継げるか引き継げないの基準

【カードローンの返済を引き継ぐ、引き継がないかを左右する基準】

①自分が相続人だと知った時からどれくらい経ったか

相続人だと知った時から3カ月以内ならセーフです。

自分でカードローンの返済を引き継ぐかどうかを決めることができます。

相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。

引用:民法第915条

 

②財産には手をつけてしまったかどうか

  • 金銭
  • 自動車
  • 書画
  • 骨董品

などの財産に手をつけてしまった場合はカードローンの返済を免れることができません。

 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。

引用:民法921条

上記を踏まえた上であなたの状況に合うケースを選んでください。

自分が相続人と知ってから3ヶ月以内で財産にまだ手をつけていない場合

自分が相続人だとわかった時から3カ月以内なら3つの手続き方法から選ぶことができます。

  1. 相続放棄
    →財産もろともカードローンの返済を放棄する手続き
  2. 単純承認
    財産とカードローンの返済を一緒に引き継ぐ手続き
  3. 限定承認
    →損しないように財産を相続できる手続き(手続きしておけば自動で「残りの返済額>財産」→放棄、「残りの返済額<財産」なら引き継ぎになる)

おすすめなのは、まず「財産とカードローンの返済、どっちの方が多いのか」を調べてから相続放棄または単純承認を選ぶこと。

パッと見た感じだと限定承認が1番手っ取り早い方法に見えるかもしれませんが、手続きが面倒なのがネックです。

たくさんの書類を用意して弁護士や司法書士にお願いしないといけません。

「カードローンの返済がどのくらい残っているのか」がどうしてもわからなかった場合にだけ、限定承認を手続きするようにしてください。

ただどの手続きをするにしろ締め切りは「自分が相続する立場だと知ってから3ヶ月以内」なので、もう時間に余裕がない方はいきなり限定承認の手続きを始めた方が安全です。

カードローンの返済残高を調べる方法

カードローンの返済残高を調べる方法

病気で亡くなりそうな人・亡くなった人のカードローンの借金は、信用情報機関(※)に開示請求すれば調べることができます。

(※)信用情報機関…クレジットカード・カードローンなどの現金を使わない取引に関する履歴を管理している機関

日本にある信用情報機関は次の3つ。機関によって取り扱っている情報が異なります。

情報機関名 扱っている情報
株式会社シー・アイ・シー(CIC) 信販会社(※1)からいくらお金を借りているか
日本信用情報機構(JICC) 消費者金融(※2)からいくらお金を借りているか
全国銀行協会(KSC) 銀行からいくらお金を借りているか

(※1)信販会社…クレジットカード業務メインの会社のこと(セゾン・オリコ・ジャックスなど)
(※2)消費者金融…銀行でも信販会社でもない会社のこと(プロミス・アイフル・SMBCモビット・アコムなど)

【機関別】カードローンの返済残高を調べる方法

信販会社からお金を借りていた場合

開示請求先:株式会社シー・アイ・シー(CIC)

生前※生前の書類は本人が申請した場合です。

①本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)

②信用情報開示申し込み書

③手数料(1,000円)

死亡後

①申し込みをする人の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)

②信用情報開示申し込み書

③手数料(1,000円)

④申し込み者が法定相続人であることが確認できる書類(戸籍謄本)

⑤開示対象者(亡くなられた人)と申し込み者との関係が分かる相続関係説明図(系図)
※申し込み者が配偶者・子の場合は不要です。

(参考:自分の信用情報を確認|CIC)

消費者金融からお金を借りていた場合

開示請求先:日本信用情報機構(JICC)

生前】※生前の書類は本人が申請した場合です。

①本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)

②信用情報開示申し込み書

③手数料(1,000円)

死亡後

①申し込みをする人の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)

②信用情報開示申し込み書

③手数料(1,000円)

④手続きをする方の親族関係が確認できる書類(戸籍謄本・戸籍抄本)
※戸籍謄本・戸籍抄本は⑤の書類と兼用ができます

⑤開示対象者が死亡したことが確認できる書類(戸籍謄本・除籍された戸籍謄本)

(参考:情報開示手続きの等のご案内|JICC)

銀行からお金を借りていた場合

開示請求先:全国銀行協会(KSC)

生前※生前の書類は本人が申請した場合です。

2種類の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど。内1種類は現住所が確認できるもの)

②登録情報開示申し込み書

③手数料(1,000円)

死亡後

1種類の申し込みをする人の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)

②登録情報開示申し込み書

③手数料(1,000円)

④亡くなった人の死亡を証明する資料(戸籍謄本・除籍された戸籍謄本・死亡診断書など)

⑤申し込み者が相続人であることを証明する資料(戸籍謄本)
※戸籍謄本により、亡くなった人の死亡を証明する資料も確認できる場合は兼用ができます

(参考:本人開示の手続き|全国銀行協会)

残りの返済額がわかった場合は相続放棄or単純承認

「残りの返済額>財産」なら相続放棄

カードローンの返済が多いのなら相続放棄

カードローンの返済残高の方が多いなら迷わず相続放棄。

家庭裁判所で手続きして相続放棄すれば、亡くなった人が残したカードローンの返済から免れることができます。

相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

あなたが財産を放棄したことで次の相続人にカードローンの借金が相続されてしまいます

カードローンの借金を相続する順番

  1. 子ども&孫(第1順位)+配偶者
  2. おじいちゃん・おばあちゃん(第2順位)+配偶者
  3. おば・おじ(第3順位)+配偶者

相続順位は配偶者+相続順位の高い人が相続人になります。
※ただし、すでに離婚している場合、配偶者は相続人になりません。

例えばあなたの父親が亡くなった場合、財産を放棄してしまうと、あなたのおじいちゃん・おばあちゃんに相続するかどうかを決める権利が移ることになります。

次の相続人に「自分が相続を放棄した」ということを3ヶ月以内に伝えてください。

3カ月が過ぎてしまうと知らないうちに次の相続人がカードローンの返済を引き継ぐことになってしまいます。

「残りの返済額<財産」なら単純承認

カードローンの返済額が財産より多い場合は単純承認

カードローンの返済残高よりも引き継げる財産の方が多い場合は、単純承認でカードローンの返済と一緒に財産を引き継ぎます

次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき

 

単純承認では特に手続きは必要ありません。3ヶ月の間に何も手続きしなければ勝手に財産を引き継いだとみなされます。

残りの返済額がわからなかった場合は限定承認

カードローンの返済額が分からない場合は限定承認

限定承認しておけば、

  • 「残りの返済額<財産」→財産を引き継ぐ
  • 「残りの返済額>財産」→財産を引き継がない

というのを自動で手続きしてくれます。少なくとも「カードローンの返済だけを引き継ぐ」ということにはなりません。

(限定承認)
第九百二十二条 相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。
引用:民法922条

注意点としては、財産・カードローンの返済を引き継ぐ可能性のある人全員分の書類が必要になるということ。

孫やおじいちゃん・おばあちゃん、叔母さんや叔父さんも含めてみんなでまとめて手続きを進めないといけません。

また上で説明したように自分でやるにはかなり面倒な手続きになるので、弁護士や司法書士にお願いして手続きしてもらうケースが多いようです。

自分が相続人だと知ってから3ヶ月が過ぎたor財産に手をつけてしまった場合

カードローンの返済を引き継ぐ場合

  1. 契約者が亡くなって3カ月が過ぎてしまった
  2. 相続されるであろう財産の一部を使ってしまった

この2つのうち、どちらか1つに当てはまる方はもうすでにカードローンの返済を引き継いでしまっている状態です。

例外として返済を引き継がなくていい場合もある

  • 亡くなった人と長い間付き合いがなかった
  • 亡くなった人に借金があることがわからなかった

このようなケースなら相続人になってから3ヶ月たった後でも、カードローンの返済を引き継がなくてもいい場合があります。

【3カ月を過ぎても財産を放棄できた例】

父親は連帯保証人になっていて1,000万円の借金を残して亡くなった。

しかし離婚していたというのもあって、10年もの間父親との付き合いは一切なし。当然借金のことなんて知ることはできなかった。

「自分が相続人だということはわかっていたが、借金に気付くのは難しかった」ということで1,000万円の借金返済を免れることができた

(参考:最高裁昭和59年4月27日判決|裁判所)

カードローンの返済を引き継いだ場合はどうすればいいの?

カードローンの借金を引き継ぐことになった場合は、契約者が亡くなったことをカードローン会社に連絡してください。

これからどうやって返済してばいいかどうかを教えてくれます。

基本的には亡くなった人の残りの返済額を一括で返済するように求められることが多いです。

ただカードローン会社も鬼ではありません。

「返済残高が多すぎて一括返済するのが厳しい」
「一括で返済してしまったら生活できなくなってしまう…」

このような方はカードローン会社に相談すれば分割での支払いを認めてくれる場合もあります。

 

 

巨匠の振り返り

財産を相続する時に1番大事なのは、カードローンの借金があったとしても合計の財産がプラス・マイナスのどちらかというのを素早く知ること

財産よりも残りの返済が多い場合は迷わず放棄。

調べても分からない場合には限定承認も視野にいれましょう。

ただ財産を引き継ぐ・放棄する手続きの期限は3カ月以内です。

間に合わなかった場合は「カードローンの返済だけを引き継ぐ」ということにもなりかねませんので、注意してください。

「もう自分に死期が近い」というのがわかっているなら、相続人になる人に残っているカードローンの返済残高を教えて上げた方が親切ですね。

◯この記事のアドバイザー◯
【保有資格】
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員
MBA(ファイナンス)
キャリアコンサルタント
TOEIC講師

どんな資格を最低コストで取得すれば、自分に合った職業に最短かつストレスなく就くことができるかについても個別にアドバイス提供。

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